デウィスパー11
「よう、姉ちゃん、俺達と遊ばないかい?」
転校早々、あたしはやっぱりツイテなかった。今までもそうだ。中学の修学旅行ではスリにお金をすられ、ろくに楽しめなかったし、小学校で初めてした調理実習で、全員に配られた卵が腐っていたのはあたしだけ。プールに入ると足がつるのは決まってあたしで、いわれの無いナンクセをつけられるのも、なぜかあたし。
……そして、不良に絡まれるのも、やっぱりあたし。
人気の少ない路地裏、眼の前にはどこかの高校の制服を着たヤンキ―が二人。一人はスキンヘッドに鼻ピアス、もう一人はキンパツで眉をそっている。
あたしは逃げようと彼等に背を向け、走り出すが「キャッ!」誰かにぶつかり、アスファルトに尻餅をついた……あぁ、やっぱりツイテない……
「へへへ……さ、姉ちゃん、行こうか」
「い、いやぁ! だ、誰か!」
鼻ピアスがその手をあたしに差し出している。あたしはそれを、声も無く首を横に振ることで拒絶した。
「……やめろ」
なんでも無さそうな声は、後ろから。あたしがぶつかった人が言ったみたい。
「おいお前、俺達に何か用でもあるのか?」
キンパツが、ぶつかった人の襟首をつかみ、見上げる形で睨みをきかせていた。