ビルパー13
「あっ、そうだ、学校行かないと!」
元々、遅刻しそうだったのだ。マズイ、転校初日に遅刻なんてのはマズすぎる。ここで、あたしはまた思い出した。
「そういえば……西高のクジョウって言ってたな」
県立戸崎西高校。そこがあたしの新たな通学先。
「……カッコよかったな、あの人」
ぽっ、とあたしの頬は赤らんでしまう。いつもツイテないあたしだけど……今日は、ツイテいるのかもしれない。
「静岡岬浜高校からやってまいりました、三桜弥生です」
ああ、ナンカ日本語ヘン……キンチョウしまくりでガチガチ……周りは、おぉ、何て声をあげているけど……あぁもう、何がそんなに楽しいのぉ!
お前達、静かにしろ! という先生の一声であたしをはやしたてる声は一旦やんだ。
「じゃあ、三桜さん……えぇと、あそこの席が空いているんで」
指し示された席は窓際から二番目、最後尾の席。みんながザワザワと騒ぎ続ける中、あたしが身を縮こまらせてそこまで行くと、
「田村俊也って言います。よろしく」
右隣の人が声をかけてくれたけど、あたしはめちゃくちゃな生返事をしてしまった。だって、しょうがないでしょう。左隣に、あのクジョウさんがいたんだから……
「どうも、朝はお世話になりました」