デパー14
席に座り、そう声をかけると、周りのザワザワはどこかに吹っ飛び、教室中がシン、となった。みんなの視線が、先生までが、あたしの方を見ている。
あ、あ、あたし、何かした?
予測していなかった事態にあたしは固まり、みんなを見てしまう。するとみんなはあたしから眼を逸らし、再びザワザワと騒ぎ出す。先生なんかわざとらしく咳払いして……
何がどうなっているのかチンプンカンプンになっていると、隣りの田村君が、
「……三桜さん、あいつには、関わらない方が、いい」
あたしを真剣な顔付きで見つめて、一言一言、言葉を区切って、信じられないことに、クジョウさんの眼の前でそう言ったのだ。
今日で転校して、一週間が経とうとしていた。今日までずいぶんドタバタしていたが、転校にはなれている。幸いまだ五月だし、二年生だ。父さんの仕事は大体二年から三年で転勤をするから、卒業はここですることになるだろう。女子は気さくな人が多いし、男子もあたしに積極的に話しかけてくれる。先生方もいい方ばかり。まさに順風満帆。ツイテないあたしとしては、何か不吉な事の前触れなのでは、と勘繰るぐらいに。
ただ一つ、不満がある。クジョウさん……九条君のことだ。クラス中……いや、学校中が彼を腫れ物のように扱っているため、まったく会話ができないのだ。これって、イジメというやつなのだろう……それはいけないと思って、あたしはみんなに、意図的に九条君のことについて問いただしたのだ。すると……