ぐーてんたーく

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ゲビル17

ゲビル17

「ねえ、どういうことなの?」

 田村君の背に詰問調で問いかけるけど、返事はない。カラスの鳴き声だけが、何度も何度もアホウアホウ、と言い返すだけ。

 辺りは、赤から、黒へと、夜に転じ始めている。

「ねえ、ちょっと!」

 声を張り上げると、彼はピタリと足を止め、背を向けたまま尋ねてきた。

「時間はあるかい?」

「……あることには、あるけど」

 一体、何をしようと言うのか?

「そこが、あいつの家だよ」

彼は一軒の家を指差した……二階建て、ベランダがあって青っぽい色の屋根……

「その二つ隣りが、僕の家」

そう言って田村君は歩き出し、自宅に入っていく……長い話になるってことなのか。

 彼に続いてあたしも田村君の家の玄関をくぐった。

 居間で待ってて。お茶を出された後、そう言われたあたしはチョコンと椅子の上に腰掛けて待っていた。ご両親は共働きなのか、姿は見えない。コチコチと時計だけが動き続けること五分、彼は両手に一杯のアルバムを持ってきた。他にも封筒に入った書類とかもあるみたい。それを一つ一つ丁寧にテーブルの上に置き、『お待たせ』と言うと、彼はあたしの反対側の椅子に腰掛けた。

「僕がこれから言う事は、事実なのかどうか、どこまでが嘘で、どこまでが本当なのか、正直な所、僕自身にも判断できない。それでもいいかい?」

 およそ、ウソを言っている様子ではない。少なくとも田村君は、彼が知っていることを話してくれる、と思うあたしはゆっくりと頷いた。