ウビルウィスパー20
小学校の入学写真を取り出し、また指差し始める。
「藤堂啓二君、仁科清人君、有沢佳苗さん、久保田純一君、三科良子さん……」
…………ど、どういうこと?
そう尋ねようとしたけど、喉が干上がってしまって声が出ない。
「……あいつが巷で何て呼ばれているか、知ってる?」
九条君のあだ名? ……
『ば、馬鹿! こいつ、西高の九条だよ! 『歩く死神』だよ!』
一週間前、転校早々、不良に絡まれた時のことをあたしは思い出し、青ざめた。
「もう、理由はわかったんじゃない?」
「……ゼ、ゼンゼン根拠の無い、非科学的な事じゃない!」
「あいつの周りにいる人が、僕が知っているだけで十六人も死んでて? その中には、彼の父親も含まれていて、隣りにいた一家が全員意識不明の状態になって、その後、衰弱死していても?」
そう言って彼は切り抜きの何枚かをあたしに指差して見せた。
「ここに、『友人と帰宅途中』とか、『A君と遊んでいたところ』ってあるよね」
「そ、それが?」
「友人とか、A君っていうのは、全部、あいつのことだよ。その人たちが死ぬ間際、全部、幸一はその側にいる」