ぐーてんたーく

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エビル

エビル

闇夜というのは、人間にとっては中々に不気味らしい。全てが黒に塗りつぶされ、世界が断絶されるのがどうして素敵なものだと思えないのかオレには理解しかねるが……とにかく、暗闇というものを人間は好まんらしい。

 その闇の恐怖がいつかは終わると願いたいのだろう、よく人間は『終わらない夜は無い』とか、『トンネルはいつか終わる』と喩え、励ましの言葉をかけるが……ククク、馬鹿げている。

 永遠に続く夜がないとどうして言い切れる? トンネルが終わる前に死ぬ可能性もあるだろうが?

 現にオレが巣食っているこいつの人生は、全て闇、底のない暗黒だ。一筋の希望もない訳ではないが、その希望という名の光が余計に闇を暗く見せ、幸一を絶望の淵へと誘う。

 故に、幸一はこうなった。

 そうだろう? 貴様が、これまでどれだけの……

「…………」

 ……ほう、オレに言われずとも気付くとは。中々五感以外も鋭くなってきたな。

 強烈な殺気は背後。人通りの少ない道を選んでいるが、それでも周りに少しばかりだが人間がいるからか、まだ仕掛けてこない。

 幸一は少しばかり足を速める。人のいない場所に後ろの殺気を誘導しようと言うのだ、健気なことだ。

 しかし……これだけの殺気を放つ奴は……狂信者か? それとも異端種か? あるいは『到達点』を目指す愚か者か?